幻の蕎麦を求めて 「はしば食堂」

「幻の蕎麦」とも言われている、富倉蕎麦と笹寿司を頂きました。

富倉は、戸狩温泉スキー場から車で30分以上山道を登った所にあり、まさに秘境です。
その昔、上杉謙信が武田信玄と戦う為に通ったとされる富倉峠へと続く集落。
峠を越えれば、もう新潟県妙高市です。

IMG_20160315_120201

中でも有名な、「はしば食堂」さんへ。
おばあちゃん手作りの笹寿司と蕎麦が有名なお店です。

IMG_20160315_120722

戦へ向かう謙信の為に供されたと言われている、笹寿司。お皿の代わりに笹の葉を使い、箸がなくても食べられる形状。笹の葉が丸くなっている方から食べて、最後に生姜を食べるのが正しい食べ方なのだとか。もち米が1割混ぜてある寿司飯は、モチモチしてつやつやです。

でもまずは、お蕎麦から食べないとおばあちゃんに叱られます。「艶があるうちに食べろ‼」と、沢山盛った蕎麦を出して下さいました。

IMG_20160315_124845

幻の蕎麦と言われている理由の1つが、富倉蕎麦のつなぎに使われている「ボクチ」にあります。
オヤマボクチは、アザミ科の植物で、小麦が取れないこの地域で代用されました。
揉んで叩いて、鍋で煮て、水洗いして葉の固い脈を取る。水洗いして葉の固い脈を取って、また煮る……と、4~5回繰り返す。葉っぱ1kgにつき、取り出せる繊維は僅かに4~5g。そんな貴重なぼくちをつなぎに使い、1時間も捏ねて、生地を打つ。
可愛いおばあちゃんからは想像も出来ない重労働です。コシがあるのに、ツルッとのど越しの良い蕎麦は、まさに幻の味でした。

そんな美味しい料理と、おばあちゃんの人柄に魅せられて、多くの有名人が訪れ、メディアからも引っ張りだこ。おばあちゃんは有名人です。
「忙しい時には話もできないんだ。でもな、おばあちゃんの顔見に来た!なんて言われちゃあ、出て行かない訳にもいかないだろ?」

お蕎麦と笹寿司と、おばあちゃんの笑顔…忘れられない、最高のもてなしが、そこにはありました。

Toshie
「とんがり戸狩」編集長/キュレーター、WEBデザイナー
お酒と温泉をこよなく愛する。大学時代、成り行きで山岳部主将になって以来、体力に自信はないけど山が好き。信越トレイル走破を企む今日この頃。「何事も全力で楽しむ!」が人生のモットー。