「戸狩×戸狩じゃないとこ=自分」

飯山市として考えると、戸狩地区というかどうか、微妙な所に住んでいます。自分自身の気持ちも同じかも知れない。戸狩に近いからこそ面白い事が出来るし、でも少し違うから、客観的な視点を持って好きな事が出来ている。そのバランスが心地良いんです。

自由に、柔らかく、自然体で。いつも面白い事を追いかける。それが、俺流。

ーー現在は、どの様なお仕事(活動)をされていますか?

個人としては編集者兼フォトグラファーとして活動をしています。その片手間に、「鶴と亀」というフリーペーパーを制作しています。フォトグラファーとしては、メインはwebの対談記事であったり、広報誌などの冊子も手掛けています。

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ーーフリーペーパー「鶴と亀」は、全国的に人気を集めていますね!先日ニュース番組の取材を受けられるなど、注目されていますが、いつ頃から制作されているのでしょうか。

ありがとうございます。フリーペーパー「鶴と亀」は、大学4年生の時から作り始めました。
大学が埼玉で、そのまま東京で就職して何年か経験を積んでから帰って来ようと思っていたんですが、早く「鶴と亀」2号を出したいからと、飯山に戻って来ちゃったんです。
大学では経済学部だったのですが、写真や、ちょっとしたデザインなどを趣味でしていました。

ーー「鶴と亀」を拝見していると、写真だけでなく、文章にも惹かれます。企画、取材、写真、文章と、何でも器用にこなされていますね!

いえ、どちらかというと不器用なんですよ。「鶴と亀」も難しい事はしていないんです。写真がメインですし。こっちの爺ちゃん婆ちゃん達の力が強いんです。
写真を撮るうえでも特にこだわりはなくて、爺ちゃん婆ちゃん達の”そのままの日常”を撮れば、十分面白くなるので。僕の写真の技術どうこうではなく、素材が良いんです。だから、そのままを撮る事を心掛けています。

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ーー小林さんの撮られる写真からは、温かな愛情を感じます。

婆ちゃん子だったんですよね。幼い頃から両親が共働きだったということもあり、婆ちゃんによく遊んでもらっていたんです。
大学入学後、カメラを買って写真を撮り出してからは、よく婆ちゃんの写真を撮っていたんですよね。大学時代は、長期休暇の時など、実家との行き来はよくしていましたので、自然と婆ちゃんの写真が増えていきました。

ーーお仕事(活動)を始められたきっかけは何ですか?

一度地元を離れて、東京に行ってみたくて。キラキラしたものや面白いものを求めて東京に行ったのですが。そこで、フリーペーパーと出会った。凄く面白いなと思って。”フリーペーパーを作ってみたいな”という思いがずーっとあって。同じく、当時東京にいた兄と、「何か作りたいよね!」と話していたんですけど。そういう、”何か作りたい”という思いと、婆ちゃん子で、婆ちゃんの写真を沢山撮っていたという状況が重なって、「鶴と亀」を作ることになりました。今でも兄と二人で写真を撮ったりして一緒に制作しています。

ーー「鶴と亀」を作られるにあたって、ご苦労などはありましたか?

紙代などの費用を集めるのは大変でした。でも奥信濃だからこそ出来た事だと思います。「こういうものを自分達は作りたくて、この位のお金が必要なので、協力してもらえませんか?」というお願いをして回らせて頂きました。そうすると、「あいつの所にも行ってみろや、俺が出したって言えば、あいつも出してくれるわ。」なんて言って、皆さん色々な人を紹介して下さいました。

例えばもしも東京だったら、「鶴と亀」の様な内容では、スポンサーとしてお金を出してくれないと思います。大変な事もありましたが、嫌になる事はなくて、楽しく、苦労を感じずに活動できています。

ーー今後やってみたい事、挑戦してみたい事はありますか?

今も写真を撮り溜めているので、「鶴と亀」4号に続く、最新号の5号を発行予定です。
そしてもう一つ。5号を出した後の事を考えています。現在、「鶴と亀」1~4号のバックナンバーの在庫がなくなっており、お問い合わせを頂いています。ですから1~5号をまとめた雑誌というか、しっかりしたものを発行したいと思っています。

ーーそれは楽しみです!「鶴と亀」の世界をじっくりと感じてみたいと思っていらっしゃる読者の方も多いのではないでしょうか。

ありがとうございます。お問い合わせを頂く事はとても嬉しい事です。今後も、ぜひ多くの方に見て頂きたいです。
また、飯山ではない地域でも「鶴と亀」を作ってみたいです。

ーー小林さんの活動が、今後益々広がっていきそうですね!

そうですね。「鶴と亀」以外でも、面白いと思う事が凄い沢山あります。今後はその面白いと思っている事を、個人的に発信していきたいです。
例えば、お祭り。観光的なお祭りではなく、自分達の地区だけの小さなお祭りなんですけどね。
自分が住んでいる地区の祭りを運営する「祭典部」に入って2年位経つんですが、そこで感じた事などを紙、web、動画などで発信したいなと思っています。
こうした地区ごとの活動は、人が減ってきて色々と大変な部分もあるのですが。その辺も含めて面白いなと思っているんです。

ーー飯山での暮らしの醍醐味はどんな事ですか?

 
正直、今も外に出る機会が多くて、それがちょうど良いというか。飯山からは北陸新幹線も出ているし。長野からは高速バスも安く出ていて、そこら中に行きやすいので。
普段はこっちで、うまい空気吸って、うまい飯食って過ごす。で、ちょっとハメを外したい時は遊びに行く。そのバランスが良い。むしろ都心で生活していた時よりも、外に出て遊ぶようになったというか、色々な所に行くようになったかな。

ーー小林さんの様に自由で大らかな発想を持つ事で、どこでどの様に暮らすか、という選択肢の幅も広がりますね。

そうかも知れないです。折角、便利で自由な時代に生まれてきたんだから楽しみたいです。「ゆとり世代」なので(笑)だからこそのライフスタイルと言えるかもしれません。
仕事も県外からの依頼も多いですし。都会だったら都会だけ、田舎だったら田舎だけというのは勿体ないと思います。

長野県だけを見ても面白いです。上田、松本、諏訪の辺りなどは都市部ではあるけれどコミュニティーが残っていたり、興味深いですし。僕の場合、あくまで「拠点が飯山市」というだけです。

自分達と同世代の若い人達は、そういう考え方…良い意味で中途半端だったり、都会と田舎を完全に切り離さなかったり。柔らかい、自由な発想の人、多いんじゃないですかね。

自由に、柔らかく、朗らかで自然…小林さんの人柄が「鶴と亀」を生み出したんですね!今後も小林さんから目が離せません。

Toshie
「とんがり戸狩」編集長/キュレーター、WEBデザイナー
お酒と温泉をこよなく愛する。大学時代、成り行きで山岳部主将になって以来、体力に自信はないけど山が好き。信越トレイル走破を企む今日この頃。「何事も全力で楽しむ!」が人生のモットー。